シリーズ:きらりと光る寒川の人々

第2回 金子利治さん(宮山)      < Interview main page         Next >

金子利治さん(宮山)

今日は宮山にお住いの金子利治さんとお話をする機会を頂きました。とても大きくておいしいトマトを寒川で生産しておられる農家の方です。総合体育館から寒川小学校に向かう細道に金子さんのトマトの無人販売所がありますので、ご存知の方も多いと思います。金子さんのような生産農家は私達寒川の住人にとっては大きな誇りですが、今日はトマトづくりにまつわるお話や、普段金子さんが感じておられることを伺ってきました。

金子さんは寒川出身ですか。

私は3人兄弟の2番目、寒川生まれの寒川育ちです。寒川は海や山にも近く、川にも恵まれ、平和でとても暮らしやすい町です。この寒川の自然の恵みにいつも感謝しています。例えば目久尻川では今でもウナギが獲れます。

ウナギは絶滅が心配されており、都市化の進んだ湘南地区ではもう見られないのかと思っていました。金子さんのお話を伺い驚きました。他に金子さんのご趣味は何でしょうか

アウトドアですね。アウトドアとは、具体的には、キャンプ、バーべキュー、登山などです。あと、バスケットボールです。始めてもう25年くらいになりますね。

どうして農業をやることになさったのでしょうか

私の両親は農業による収入で3人の子供を育ててくれました。ですから、農業は大変立派な仕事だと子供のころから感じていたので、自分でもやってみたいと思い、自然に家業を継ぐことになったのです。しかし、現在は農業だけでは大変です。寒川でも昔はかなりの数のトマト農家があったのですが、今は4軒ほどしか残っていません。大規模な業者が大量のトマトを市場に持ち込んで値崩れが起こることもあり、私の様な小規模の農家にとっては大変なこともあります。また、農業は台風などの自然災害を受けることもあり、グリーンハウスの被害などは特に保険で賄われる訳ではないので大変ですね。2年前の台風の時には、修理業者は引く手あまたで来てくれなかったので、自分で材料を買って修理しました。また、調整区域で農業をやっているので税金が高く大変です。2歳と0歳の子供がいるのですが、将来農業を継がせるかどうかはわかりません。

金子さんが作っておられるトマトやその他の野菜について教えてください。

トマトの品種は桃太郎といい、有機肥料を使って栽培しています。寒川の他のトマト農家さんたちも基本的に有機栽培です。私のトマトは、無人販売所の他に、茅ケ崎や寒川のスーパー、わいわい市、秦野の市場などに卸しています。

トマトの他にもナスや里芋も育てていますが、珍しい野菜は作っていません。何か新しい野菜を作ろうと思うと、新しい農産物を買ってくれる消費者を1人で開拓することになり大変なのでやれずにいます。農業は、作ることよりも、売ることの方が大変だと思います。誰か販売を助けてくれるいる人がいると助かるのですが。レストランに自分の作った作物をつかっていただくのが私の将来の夢です。

寒川を愛する金子さんですが、住んでいて不満な点はありますか。

欲を言えば寒川にはお祭りが少ないのが残念です。昔はもっとたくさんあったのですが、今は産業まつりぐらいでしょう。町は財政難だと言って色々な行事を削減していますが、やはり寂しいので、もっと積極的にいろんな行事をやってもらいたいと思います。今年やっとプールを再開できたことは大変良いことです。自分も子供の頃はよくプールで泳いだので、町がこのような施設を充実することは大変良いことだと思います。それから寒川は寒川神社に依存して、発展性がないように感じます。寒川神社にしても、鎌倉八幡宮の小町通りのようなものができたら賑わいができて良いと思うのですが。

金子さんは寒川の地元の人という事で、色々な方とのお付き合いも多いと思いますが、何かそのことでお話しいただけませんでしょうか。

近くの神社でお祭りがあるとお神輿を担ぎに行きます。そうすると友達に必ず会えます。このように地域密着の行事は参加していて本当に楽しいので、このような文化行事はこれからも大事にしていきたいと思います。

また私は消防団に入り、地元のために貢献しています。それからJC(青年会議所)の方々とも一緒に活動したことがあります。JCは数年前まで花火大会を主催していましたが、近年は資金集めが大変で中止になっています。因みにこの花火大会、昔は相模川でやっていました。そうすると平塚側からも見えてしまいますね(笑)。

今日は楽しいお話どうも有難うございました。コロナ禍で様々な活動が制限されている状況ですが、引き続きご活躍をお祈りしております。機会がありましたらまたよろしくお願いいたします。